こんばんわ、Asibinaちゃんです。
アートインAsibina最新作「お月さまがみていたおはなし」はお月さまが自らの目でみてきたお話をみんなにしてくれる、というお芝居です。
月をみていると、皆さん何か思い出しませんか?
私は満月を見ると丸い食べ物がでてくる絵本・・・「おだんごパン」とか、「ぐりとぐら」にでてきたおおきな丸いカステラを思い出します。
食べ物ばっかりですね。
そういえば、子どものころお月さまを見ながら妹につくってあげたおはなしは、うさぎが満月をちぎってきて妹にごちそうしてあげるおはなしでした。
どうやら「おいしそう」という認識を持っているようですね、私は。
アンデルセンの短編集「絵のない絵本」は、都会の片隅に住む貧しい絵描きが屋根裏部屋から静まり返った夜の街を眺めるところから始まります。
緑いっぱいの田舎から出てきた彼にとっては、そこから見える灰色の煙突が並ぶ風景はなんともさびしいものでした。
そのさびしい窓辺にふと差し込んだのは、お月さまのやさしい光。
貧しい絵描きは、そのお月さまの姿にふるさとの風景を思い出します。
そしてお月さまはこう言うのです。
「さあ、わたしの話すことを、絵におかきなさい」
お月さまを眺めているときというのは、何かいろいろな考えが浮かんでくる時間なんじゃないかと思います。
そしてそのとき、人の心はとても穏やかです。
それって、お月さまが静かに語りかけてくれているように思えないでしょうか。
長い年月、お月さまは地球の周りを回り続けて、いくつもの夜の間、ときどき昼も、遠い空から世界中を眺めているのです。
わたしが生まれた夜も、おめかししてお出かけした夜も、叱られてプチ家出(未遂)した夜もご存知なわけです。
ずーっと黙ってわたしたちを見つめているお月さまが、あるとき、ふと見つめ返すと、こんなにいろんなことを見てたよ、と微笑んで語りかけてくる。
だから、お月さまを見上げるといろんなことが浮かんでくるんじゃないかと思うのです。
なんでもない瞬間にもそっと寄り添って、見守っている、応援している、そんなお月さまを描きたい、と思っています。